2016年出版『サイエンス・ブック・トラベル(Science Book Travel―世界を見晴らす100冊)河出書房新社・山本貴光著』では3冊の書評をさせて頂きましたが、このたび文庫版として再登場します。理工書の読者とともに広く若い方々にも手に取って頂きたく、文庫版の出版を企画されたそうです。
自分が選書した3冊ですが、自分のような小者が「評」するなどととても声高にしたくないことで、本当に恥ずかしいレベルです。でも、こういった自分が若い頃に出会った書々は、現実と格闘し日々の生活に追われながらも、この身をわくわくさせるに十分なものでした。先達の記した書物は着実に後輩たちに影響を与え受け継がれていくものなのだと思います。このサイエンストラベルの価値はそんなところにあるのでしょう。あらためて、編集に関わっておられる方々の仕事の大きさを感じざるを得ません。
『Science Book Travel―世界を見晴らす100冊(山本貴光著)』担当部分
①『化学マジックタネ明かし』山崎昶(あきら)著…身近な素材から化学現象の切り口をどう見るのか?
②『化学物質ウラの裏』John Emsley著 渡辺正 訳:個性的な化学物質たち「肖像画」は何を語るのか?
③『クラゲに学ぶ』下村脩著…科学者の努力はいかにして実を結んだのか?