今月は、銅箔テープというシール状の導線を工作用紙に貼って回路をつくり、カラーLEDを6個発光させるという実験工作に取り組みました。容量に差のあるLEDを組み込むので抵抗も用いて、簡単な電気回路を平面的にながめるということを目的にしました。昨今の子どもたちは豊富なデジタル環境にどっぷりとつかっているものの、そもそも電気を扱う機器がどのような仕組みでできているのかを体験する機会がなかなかありません。その昔、テレビにはチャンネルというものがついていて、どの番組を視聴するのかで子ども間で争う「チャンネル争い」という麗しき伝統文化がありました。子どもたちは、チャンネルをひねり回す際に、カチャカチャという音とともに、その接点間で電気信号のオンオフや切り替えが起こっているということを体験的に学ぶ機会があったわけです。また、もともと好奇心が強い子どもですから、テレビの中に「テレビの人」が住んでいるのではないかと思って、テレビの裏側をのぞいたりしていたものです。すると、そのテレビという機器の中には人の代わりに、怪しげな金属部品やガラス製の光る物体(真空管など)が詰まっていることを知ります。科学理論は理解できなくても、機器が複雑な自然現象の積み重ねで構築されているということを誰からか強制されるのでもなく、素直に受け入れる土壌があったのです。…続く