• 子ども科学実験教室

(前回の続き…)教育現場としては、あえて手間や予算をかけるような実験に取り組むようなリスクをあえておかさなくても良いのでは、と考えるのが主流となるわけです。そういった雰囲気は、ずっと以前から指摘されてきたことで、学校の先生が実験を極端に避ける傾向や、教材開発すらしなくなって状況はありました。しかし、教員の多忙化や予算不足という背景に同情する声も一部にあり、場合によっては筋違いの論理で、表立って問題視されることは少なかったのです。しかし、それが一気に表面化する社会現象が生じました。全世界を巻き込んだコロナパンデミックです。コロナ問題によって、その完成を見たといっても過言ではありません。コロナ対策の名のもとに、実験機会はもちろん、授業での教材回覧すら忌避されるようになりました。生徒間で感染が広がっては大変だ、生徒の安全が第一だ、思いやりだ、グループ実験などとんでもない。誰が責任を取るのだ、何もしないことが一番なんだ。「命を守る」というキレイごと文句と失敗を恐れる異常な委縮がうまく連動して強大な障害となり、科学教育の前に立ちはだかってしまったのです。(…次回に続く)


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